居心地のいい店内で料理も会話も楽しむ 青木 優さんがもてなす心と体に優しい時間

更新日:2021年4月27日

青木 優さんの営むイタリアンレストラン「GENTILE(ジェンティーレ)」には、お客様が来てすぐ腰かけられる、気軽なカウンター席がある。会話を楽しみ、カウンター越しに相手の様子を見て、これぞという旬のおすすめを出すスタイルが「お寿司屋さんみたいだね」と評されることも。食べることが好きでこの世界に入ったが、人と会話することも同じくらい大好きだという青木さん。お客様との出会いは一期一会、即興性の高いもの。だからこそ、相手が満足するものを、楽しく食べてもらいたい、という思いがある。

青木さんの考えるレストランの在り方、そして県外出身だからこそ気付く静岡の食の魅力について、存分に語っていただいた。


静岡イタリアン GENTILE(ジェンティーレ)

静岡県静岡市葵区両替町1ー3ー39 MA館B1

TEL 054-255-5577

https://www.gentileshizuoka.com/


健康的な「静岡イタリアン」をどうぞ


静岡県に住み始めた直後、しみじみと「カブがおいしいなあ」と思ったことがある、と話す青木さん。「住んでいる人は慣れてしまって気づかないかもしれないけど、静岡は野菜がすごくおいしいんですよ」。この地に移り住んで、修行時代に親方からよく言われた「何を食べているかわからない料理を作るんじゃない」という言葉が実感できた。素材が良ければ、シンプルな調理法が一番おいしさを引き出す。「極端な話、味付けは塩だけで十分になります」。由比港に通って魚の名前を覚え、生産者と知り合って食材の知識が増えた。地産のものを使った「静岡イタリアン」はお手のものだ。

 青木さんはお客様と長く付き合いたいと考えている。だから、動物性の油脂はほとんど使わない。「食べることが好きなお客様が多いから、これからもずっと食事を楽しんでもらえるように、最近では胃もたれしない、低糖質の料理を工夫するようになってきました」



サン・セバスチャンのような、美食王国 静岡に


東京で働いていた頃と一番違うのは「距離感」だという青木さん。生産者との距離感、シェフ同士の距離感、お客様との距離感、そのすべてがとても近い。食材も人ありき。距離感が近いから、生産者の人柄まで透けて見える。誠実な人柄を知り、「だからおいしいんだな」と納得し、信頼関係が生まれていく。静岡食材×人という掛け算ができる。


1,000円台のランチのパスタから、5,000円、1万円台のディナーまで、レストランを訪れるお客様の動機や目的はさまざま。青木さんは「記念日のお祝いで来た方にも、ランチで気軽に訪れた方にも、満足してもらいたい」と考えている。料理人になりたての頃は気合を入れて「どうだ! 」と言わんばかりの料理を出していたと笑うが、今は肩の力を抜いて、自然体で料理に向き合う。


おいしいものが好きなお客様は、ジェンティーレも訪れるが、評判の高い他の店にも通う。「刺激になりますよね。静岡市内だけでも志の高いシェフ仲間が多くて、『一緒に頑張ろう』と思えます」。青木さんはお客様の他店への回遊も歓迎し、みんなで静岡を盛り上げ、この県が美食王国になればいい、と考えている。

スペイン北部の小さな街にもかかわらず、名だたるレストランが密集する「サン・セバスチャン」のように。



こんにゃくの魅力は和食にとどまらない


「こんにゃくって、とてもいい食材なんですよね」と、青木さん。最近、お客様の中には健康を考えて「締めのパスタは食べない」という方が増えた。ニーズに寄り添い、ヘルシーなイタリアンを作るために、糖質やカロリーオフでありつつ、おいしい食材はないだろうかと考えている時にめぐり合ったのが、岩崎蒟蒻店のこんにゃく。


「こんにゃくといえば和食の煮物や、おでんを連想する人がほとんどかもしれません。でも、ブイヨンを染み込ませたらどうでしょうか。十分イタリアンの食材になりそうでしょう?」





青木さんのこの日のこんにゃくのメニューは、「牛ほほ肉とバタ練り蒟蒻の赤ワイン煮込み 旬の野菜添え」。シンプルに焼き、滋味深さを引き出した野菜に、味のしみたこんにゃくと牛ほほ肉。味わいはまさにイタリアンだ。「コンソメ、イカ墨、カレー、トマト煮、煮込みであれば、こんにゃくは何にでも合います」。それでいて、低カロリーで食物繊維が多く、満腹感にもつながる。青木さんの求める健康食にぴったりなのだ。













青木 優


1976(昭和51)年生まれ、東京葛飾区出身。昔から食べることが好きで、高校卒業後、調理専門学校へ進学。修業先のイタリア料理店が伊豆へ出店したのを機に、東京から伊豆に移住。「リストランテ ラ・ヴィータ・エ・ベッラ静岡伊勢丹」にて料理長を務めた後、独立。2016年、「ジェンティーレ」をオープンする。静岡で活躍するシェフと生産者が集うWASABi静岡にも参加。



 

生産効率よりおいしさを

岩崎蒟蒻店4代目 岩崎真紗美さん



岩崎蒟蒻店の4代目、岩崎真紗美さんの考えは極めてシンプルで、「自分が買いたいものを作る」のみ。例えばジェンティーレの青木さんが激賞する「バタ練り蒟蒻」は、無数の小さな穴が開いているため切り込みを入れなくてもその気泡に味が染みる、料理し甲斐のあるこんにゃくだ。空気を含ませバタバタと練ることから「バタ練り」と名前がついたこのこんにゃく、噛んだ時に気泡が弾けるので、シコシコして弾力のある食感となるのも魅力の一つ。だが、職人が目で確認しながら丁寧に作っていくため、仕込みから完成まで2日かかる。現在、主流となっている機械式のこんにゃくと比べ、手間も時間もかかる商品なのだ。

 「確かに効率は悪いんですけど、おいしいんです」と岩崎さん。青木さんをはじめ、おいしさのために手間をかける、その姿勢に共感するプロは多い。

岩崎蒟蒻店


静岡県焼津市小川新町1丁目5−14 TEL:054-628-2788  FAX:054-629-7431 https://iwazaki-konnyaku.jp/


昔ながらの製法でおいしいこんにゃくを提供


岩崎蒟蒻店の手練りのこんにゃくのファンは60代、70代も多いという。「やっぱり、昔ながらのこんにゃくじゃないとね」と買い求めていくのだとか。こんにゃく業界全体が効率化を始める前の、おいしいこんにゃくを知っている世代だ。

岩崎さんは、前職のテレビ局のディレクター時代に家業を取材し、3代目である母が業界の通例に従わず、多少の効率化は考えながらも、昔ながらの方法でこんにゃくを作っていたことを知った。それは「たぶん、母が女性だったからだと思うんですよ。工業製品じゃない、食品を作っているんだ、という意識があったのではないでしょうか」。

効率化を重視して、価格だけを追求すると、商品の価値は下がる、と岩崎さんは思う。それはすべてに連鎖し、国内で一生懸命、こんにゃく芋を作っている生産農家まで圧迫する。そうはしたくない。だからこそ、ヘルシーな伝統食であるこんにゃくの魅力がまだ届いていない新しい層に、SNSなどを通じて、積極的に発信をしている。


こんにゃくレシピを発信中


岩崎蒟蒻店として、レシピサイトに積極的にこんにゃくを使ったレシピを載せている岩崎さん。「こんにゃくミネストローネ」、「こんにゃくのカルパッチョ」などの洋風メニューから、「こんにゃくのレモンシロップ漬け」というスイーツまで、レシピは多岐にわたる。それは「こんにゃくの使い方がよくわからない」という若い世代のことも意識してのこと。

ほかにも、地元の個店とコラボレーションして和風ポトフなどのメニューを作ったり、食品メーカーと組んでレトルトおでんの具となったり、今回の青木さんのようにイタリア料理店に食材として提供したり、活動は活発だ。そこには「こだわりの地元食材を未来に残したい」という思いがある。

「地域に根ざして、伝統食材を次世代につないでいく活動は、今後も続けていきたい」」と話す岩崎さん。地域の小学生を対象にした工場見学受け入れや、芋から作る手づくりこんにゃく体験も積極的に開催している。


岩崎真紗美さん


創業昭和2年、歴史ある岩崎蒟蒻店の4代目。大学でマスコミ科を専攻し、映像制作を学ぶ。当初は家業を継ぐつもりはなく、4年前まで地元のテレビ局で番組制作のディレクターをしていた。ひょんなことから家業をテレビ取材することになり、母の思いを聞き、こんにゃくというヘルシーな伝統食に、改めて魅力を感じるように。2017年7月より岩崎蒟蒻店にて、こんにゃくの新たな価値づくり、地域密着型の情報発信を積極的に行う。活躍する女性起業家を表彰する「2019年度J300アワード」大賞受賞など、高い評価を得ている。焼津市出身。




【ジェンティーレ 近隣のオススメスポット】


◆静岡浅間神社

古くから駿河国総社として歴代幕府の崇敬を受けて信仰されている

静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102−1

TEL:054-245-1820(代) http://www.shizuokasengen.net/


◆駿府城公園

徳川家康最後の居城。東御門、巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園などを楽しむことができる。

静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1


東御門・巽櫓

開館時間/午前9:00〜午後4:30

(入園は午後4:00まで)

休館日/月曜日(祝日営業)

TEL 054-251-0016

https://sumpu-castlepark.com/



【岩崎蒟蒻店 近隣のオススメスポット】


◆エキチカ温泉 くろしお

太古の時代の地下水が長い時間をかけて湧き出た海水の約半分の塩分を含んだ温泉を楽しむことができる。 静岡県焼津市栄町1-13-1

TEL 054-627-7200

営業時間 10:00~翌9:00 (23時間営業)

http://spa-kuroshio.com/

◆焼津さかなセンター

焼津港・小川港・大井川港直送!70店舗が集結!

静岡県焼津市八楠4丁目13−7

0120-82-1137

営業時間 9:00~17:00

定休日 1月1日、他設備点検による臨時休業日あり。

https://www.sakana-center.com/


◆焼津ディスカバリーパーク

富士山、日本平、伊豆半島を望む駿河湾の海岸に位置し、天文台、プラネタリウム、展示・体験室を備える天文科学館

静岡県焼津市田尻2968−1 TEL 054-625-0800 開館時間 平日9:00~17:00 土日祝10:00~19:00

※ゴールデンウィークやお盆など、開館時間を変更する場合があります。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止等のため、急遽開館時間の変更およびイベント等を変更または中止する場合があります。

休館日 毎週月曜日(祝休日の場合は開館し翌日休館)、年末年始

※都合により臨時に休館・開館する場合があります。 https://www.discoverypark.jp/


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